今回は、東大阪市で行った八角屋根のカバー工法をご紹介します。
施工前の屋根材は、コロニアル(カラーベスト)でした。既存屋根の上から新しい防水紙と金属屋根材を重ねるカバー工法を採用し、仕上げにはアイジー工業の「スーパーガルテクト」を使用しています。
選んだ色は、深みのある青色が印象的な「Sシェイドブルー」です。
今回の見どころは、八角形という複雑な屋根形状と、中心へ向かって伸びる「差棟」の納まりです。屋根材の性能だけでなく、正確な採寸と板金加工、雨水の流れを考えた施工が求められる現場でした。

スーパーガルテクト「Sシェイドブルー」で仕上げた八角屋根です。
施工概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施工地域 | 大阪府東大阪市 |
| 施工前の屋根材 | コロニアル(カラーベスト) |
| 工事方法 | 屋根カバー工法(重ね葺き) |
| 使用屋根材 | アイジー工業 スーパーガルテクト |
| 使用色 | Sシェイドブルー |
| 屋根形状 | 八角屋根 |
| 施工のポイント | 八角屋根の割り付け、差棟、中心部分の雨仕舞いと美観 |
施工前はコロニアル(カラーベスト)の屋根
施工前に使われていたのは、薄型スレート屋根材のコロニアル(カラーベスト)です。
コロニアルは多くの住宅で使用されていますが、年数の経過とともに色あせ、表面塗膜の劣化、ひび割れ、欠け、反りなどが発生する場合があります。また、屋根の防水で重要なのは表面の塗装だけではなく、屋根材の下に施工されている防水紙です。
既存屋根の状態や下地に大きな問題がなく、カバー工法に適した条件であれば、コロニアルを撤去せずに新しい屋根を重ねることができます。
コロニアル屋根のメンテナンス判断については、屋根塗装は本当に必要なのかを解説した記事もご覧ください。

施工前はコロニアル(カラーベスト)が葺かれていました。
今回採用した屋根カバー工法とは
屋根カバー工法とは、既存の屋根材を基本的に撤去せず、その上から防水紙と新しい屋根材を重ねる工事方法です。「重ね葺き」とも呼ばれます。
既存屋根の撤去量を抑えられるため、葺き替え工事と比べて廃材処分費や工期を抑えやすいことがメリットです。既存のコロニアルと新しい金属屋根材による二重の屋根構造になります。
ただし、どの屋根でもカバー工法ができるわけではありません。下地の腐食が進んでいる場合、雨漏りによる傷みが大きい場合、屋根の重量や形状に問題がある場合などは、既存屋根を撤去する葺き替え工事が適していることもあります。
HAPPYROOFでは、屋根の表面だけで判断せず、既存屋根と下地の状態を確認したうえで工事方法をご提案します。
カバー工法のメリット・注意点・費用については、屋根カバー工法の完全ガイドで詳しく解説しています。
八角屋根は施工難度の高い屋根形状
一般的な切妻屋根や寄棟屋根と異なり、八角屋根は複数の屋根面が中心へ向かって集まります。
それぞれの屋根面に合わせてスーパーガルテクトを正確に割り付け、斜めに切断・加工しなければなりません。わずかな寸法や角度のズレでも、差棟のラインや中心部分の仕上がりに影響します。
特に重要なのは次の4点です。
- 屋根面ごとの寸法と角度を正確に確認する
- 屋根材の割り付けと切断位置をそろえる
- 雨水の流れを考えて差棟を納める
- 複数の差棟が集まる中心部分を美しく仕上げる
既製の部材を取り付けるだけでは納まらないため、現場に合わせた板金加工と細かな調整が必要です。
八角屋根の印象を決める「差棟」
今回、特にこだわった部分が差棟です。
差棟とは、寄棟屋根などの斜め方向へ取り付ける棟部材です。屋根面同士が接する部分から雨水が入らないように保護するとともに、屋根全体の見た目を引き締めます。
八角屋根では複数の差棟が中心へ集まるため、一本ずつの幅、角度、通りがそろっていなければ、完成時にばらつきが目立ちます。
今回の施工では、Sシェイドブルーの屋根面に沿って差棟のラインが中心へきれいに伸びるよう、全体のバランスを確認しながら仕上げました。防水性を確保するだけでなく、下から見上げたときの美しさにも配慮しています。

八角屋根全体のラインをそろえ、美しく納めた差棟です。

複数の差棟が集まる中心部分。防水性と美観を考えて仕上げています。
使用したスーパーガルテクトの製品データ
スーパーガルテクトは、表面材、高性能断熱材、裏面材を一体化した金属製屋根材です。
今回使用した標準タイプの主なメーカー公表値は次のとおりです。
| 項目 | スーパーガルテクトの公表値 |
|---|---|
| 重量 | 5.0kg/㎡ |
| 最大厚さ | 16mm |
| 働き幅 | 265mm |
| 働き長さ | 2,960mm |
| 熱貫流率 | 1.43W/㎡K |
| 表面塗装 | 遮熱性ポリエステル樹脂塗装・ちぢみ塗装 |
| 塗膜保証 | 15年 |
| 赤さび保証 | 20年 |
| 穴あき保証 | 25年 |
※数値はアイジー工業の公表資料に基づきます。保証には登録が必要で、対象範囲や適用条件はメーカーの保証規定によります。
スーパーガルテクトを選ぶ6つのメリット
1.1㎡当たり5kgと軽量
スーパーガルテクトの重量は1㎡当たり5.0kgです。
メーカーの比較では、スレート屋根の約4分の1、和瓦屋根の約10分の1の重量とされています。今回のようなカバー工法では既存屋根を残して新しい屋根材を重ねるため、追加する屋根材が軽量であることは重要です。
屋根が軽いほど建物上部へ加わる重量を抑えられます。ただし、屋根材を軽くするだけで建物全体の耐震性が保証されるわけではありません。
屋根材別の重量については、瓦・カラーベスト・金属屋根の重さを比較した記事も参考にしてください。

2.断熱材一体型で熱を伝えにくい
内部には「ポリイソシアヌレートフォーム」という高性能断熱材が充填されています。平らな部分だけでなく、屋根材同士をかみ合わせる接合部まで断熱材が入る構造です。
熱の伝わりやすさを表す熱貫流率は1.43W/㎡Kです。数値が小さいほど熱を通しにくいことを示します。
| 屋根材 | 熱貫流率 |
|---|---|
| スーパーガルテクト | 1.43W/㎡K |
| 化粧スレート | 1.96W/㎡K |
| 瓦 | 2.22W/㎡K |
| 断熱材なしの金属屋根材 | 6.64W/㎡K |
※メーカーが熱伝導率から計算した算出値です。
金属屋根は暑いと思われがちですが、断熱材一体型のスーパーガルテクトは、断熱材のない金属屋根とは構造が異なります。

3.遮熱性塗装で日射熱を反射
表面には、赤外線を反射しやすい遮熱性塗装が採用されています。
メーカーの簡易遮熱試験では、遮熱性塗装鋼板と通常塗装鋼板へ60分間ランプを照射したところ、鋼板裏面に約15℃の温度差が確認されています。
遮熱性塗装が屋根表面の温度上昇を抑え、内部の断熱材が室内側への熱の伝わりを抑える仕組みです。
※約15℃は室温19℃、測定箇所は鋼板裏面、ランプの高さ15cmという条件で行われたメーカー社内試験の参考値です。実際の住宅で室温が15℃下がるという意味ではありません。

4.超高耐久ガルバによる耐食性
表面材には、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムなどで構成された「超高耐久ガルバ」が使われています。
メーカーによると、めっき層は一般的なガルバリウム鋼板と比べて約1.25倍の厚みがあり、鋼板をさびから守る耐食性を高めています。
ただし、金属屋根は絶対にさびないわけではありません。切断面の処理、傷、異種金属との接触、雨水が滞留する納まりなどによって腐食リスクが変わるため、材料の性能と同じくらい施工品質が重要です。
5.塗膜15年・赤さび20年・穴あき25年のメーカー保証
標準タイプのスーパーガルテクトには、塗膜15年、赤さび20年、穴あき25年のメーカー保証が設定されています。
保証を受けるには保証登録が必要です。また、保証対象は製品本体であり、施工不良、自然災害、使用環境などによるすべての不具合が保証されるわけではありません。
「25年間メンテナンス不要」という意味ではないため、施工後も定期的な点検をおすすめします。
6.風速65m/sを超える強風試験を実施
メーカーが行った台風を想定した試験では、風速65m/sを超える強風でも問題がなかったと公表されています。
ただし、実際の屋根の耐風性能は、下地の状態、固定方法、ビスの種類と間隔、屋根形状、棟部の施工などにも左右されます。
特に八角屋根は棟部分が多いため、製品性能だけに頼らず、差棟や中心部分を確実に固定して納めることが重要です。
Sシェイドブルーを採用した理由と仕上がり
今回採用したSシェイドブルーは、落ち着きのある深い青色です。
スーパーガルテクト特有のちぢみ塗装により、金属屋根でありながら光沢が強すぎず、細かな凹凸のある上品な質感に仕上がります。
八角屋根は建物の外観で目に留まりやすい部分です。Sシェイドブルーによって屋根の存在感を出しながら、差棟の整ったラインがより引き立つ仕上がりになりました。
なお、屋根の色は写真や画面だけでなく、できるだけ実物サンプルを屋外で確認することをおすすめします。日光の強さ、見る角度、周囲の外壁色によって印象が変わるためです。

深みのある青色と、ちぢみ塗装の上品な質感が特徴です。
高性能な屋根材ほど施工品質が重要です
スーパーガルテクトには、軽量性、断熱性、遮熱性、耐食性など多くのメリットがあります。
しかし、性能の高い屋根材を使うだけで、雨漏りしない屋根が完成するわけではありません。
今回の八角屋根では、屋根材の割り付け、斜め部分の加工、差棟の角度、中心部分の雨仕舞いなど、一般的な屋根以上に細かな調整が必要でした。
材料の性能を生かし、雨水の流れと完成後の美しさまで考えて施工することが、長く安心して使える屋根につながります。
東大阪市で屋根カバー工法をご検討中の方へ
屋根の劣化状態や適切な工事方法は、建物ごとに異なります。
表面の色あせだけで塗装を選ぶのではなく、屋根材のひび割れや反り、防水紙、下地の状態、築年数などを確認したうえで、塗装・カバー工法・葺き替え工事から適切な方法を判断することが大切です。
HAPPYROOFでは、東大阪市を中心に屋根カバー工法、葺き替え工事、雨漏り修理、雨樋工事などに対応しています。
現地調査では屋根の状態を確認し、写真を使って必要な工事と不要な工事を分かりやすくご説明します。八角屋根などの複雑な形状や、コロニアル屋根のメンテナンスについてもお気軽にご相談ください。
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よくある質問
Q1.コロニアル屋根は必ずカバー工法にできますか?
いいえ。下地の腐食や雨漏り被害が大きい場合、屋根の形状や重量に問題がある場合などはカバー工法が適さないことがあります。その場合は、既存屋根を撤去して下地から補修できる葺き替え工事を検討します。現地調査で下地を含めた状態を確認することが必要です。
Q2.カバー工法と葺き替え工事の違いは何ですか?
カバー工法は既存屋根を残して新しい屋根を重ねる方法です。撤去費用や廃材を抑えやすい一方、傷んだ下地を全面的に確認・交換することはできません。葺き替え工事は既存屋根を撤去するため費用と工期は増えますが、下地から補修できることがメリットです。
Q3.スーパーガルテクトは夏の暑さ対策になりますか?
遮熱性塗装と一体型断熱材により、屋根から室内側へ伝わる熱を抑える効果が期待できます。ただし、実際の室温は建物の断熱状態、屋根裏換気、日当たり、窓、間取りなどにも左右されます。「必ず室温が何度下がる」とは断定できません。
Q4.金属屋根は雨音がうるさくなりませんか?
スーパーガルテクトは断熱材と一体化されており、薄い鋼板だけの屋根材とは構造が異なります。また、カバー工法では既存のコロニアルを残して重ねるため、金属板へ直接雨が当たる音が室内へそのまま伝わる構造ではありません。ただし、音の感じ方や建物の構造によって差があります。
Q5.スーパーガルテクトの保証は何年ですか?
今回使用した標準タイプは、塗膜15年、赤さび20年、穴あき25年です。保証には登録が必要で、施工不良や自然災害などは対象外になる場合があります。詳しくはメーカー保証規定の確認が必要です。
Q6.Sシェイドブルーはどのような外壁に合いますか?
白、グレー、ベージュなどの外壁と合わせやすく、落ち着いた外観に仕上がります。光の当たり方や見る角度で印象が変わるため、実物サンプルを屋外で確認し、外壁や雨樋の色と合わせて判断することをおすすめします。
Q7.八角屋根でもカバー工法はできますか?
既存屋根や下地の状態、勾配などの施工条件を満たしていれば可能です。ただし、屋根面ごとの割り付けや斜め加工、複数の差棟が集まる中心部分の雨仕舞いが必要なため、一般的な屋根より高い板金加工技術が求められます。
Q8.カバー工法の工期はどのくらいですか?
一般的には数日から1週間程度が目安ですが、屋根面積、形状、足場、天候、下地補修の有無によって変わります。今回のような八角屋根は加工箇所が多いため、一般的な屋根より施工日数が必要になる場合があります。
まとめ
今回の東大阪市の現場では、既存のコロニアル(カラーベスト)を残し、その上からスーパーガルテクトを施工するカバー工法を行いました。
使用色はSシェイドブルーです。深みのある青色とちぢみ塗装の質感により、八角屋根の形状と整った差棟のラインが引き立つ仕上がりになりました。
スーパーガルテクトは、1㎡当たり5.0kgの軽さ、熱貫流率1.43W/㎡Kの断熱性能、遮熱性塗装、最長25年のメーカー保証などを備えた屋根材です。
一方、屋根材の性能を十分に生かすには、下地の確認、正しい固定、雨水の流れを考えた板金加工が欠かせません。特に八角屋根では、複数の屋根面と差棟を美しく、雨漏りしないように納める技術が重要です。
東大阪市でコロニアル屋根のカバー工法やスーパーガルテクトをご検討中の方は、HAPPYROOFへご相談ください。
この記事を書いた人
HAPPYROOF代表 山野 翼
21歳で屋根リフォーム会社へ入社し、屋根工事に携わって約20年。これまで約6,000件の屋根に関わってきました。
現在は東大阪市を中心に、屋根の葺き替え、カバー工法、雨漏り修理、屋根板金、雨樋工事、外壁リフォームなどを行っています。
屋根の状態を正確に確認し、写真を使って必要な工事と不要な工事を分かりやすく説明することを大切にしています。

東大阪市を中心に屋根工事を行う、HAPPYROOF代表の山野 翼です。
HAPPYROOF会社情報
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|---|---|
| 屋号 | 屋根・外壁工事専門店 HAPPYROOF |
| 代表者 | 山野 翼 |
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| 営業時間 | 9:00~21:00 |
| 定休日 | 年末年始 |
| 対応工事 | 屋根葺き替え、屋根カバー工法、雨漏り修理、屋根板金、雨樋工事、外壁リフォーム |
| 主な対応地域 | 東大阪市、八尾市、大東市、大阪市生野区、松原市など |